*【五輪書】 《第五の次第、太刀の構へ、我右の脇に横に構へて、敵打かゝる所の位を受け、我が太刀下の横より筋かひに上段に振上げ、上より直に切るべし》(水之巻)

無三四巌流と雌雄を決する図 繪本二嶋英勇記
*【小倉碑文】 《岩流三尺の白刄を手にして來たり、命を顧みず術を尽くす。武藏木刄の一撃を以て之を殺す。電光猶遅し》
*【江海風帆草】 《宗入、むさしがすそをはらふ、武藏のびあがりて、棒にて宗入が頭を一打に打倒す。此時、宗入が刀のきつさき、武藏が立付の前腰をはらひて、はかまのまへ武蔵が膝に下がる。武藏立所をうごかず、宗入又立あがらんとするを、又同ジく頭を打て、即時に打殺す》
(異本)《宗入、武藏が裾をなぐり払ひければ、武藏飛びあがりて、彼棒にて宗入が頭を打つて打倒す》
*【武将感状記】 《武藏二刀を組てかかれば、岸流拝打に斬る處をうけはづして其頭を打つに、岸流身をふりて左の肩に中る。其勢にふみ込みて横に拂ふ。武藏足を縮て飛あがれば、皮袴の裾三寸ばかり切て落たり。武藏全力を出して之を打つに、頭微塵に砕て即座に死す》

宮本無三四佐々木岸柳仕合之図
*【武公伝】 《小次郎倍〔ますます〕怒テ、武公近ヅクト齊ク、先其眉間ヲ打。武公ガ、鉢巻ノ締目切レテ割落ツ。同(く)武公所打ノ木刀、小次郎ガ頭ニ中リテ、立所ニ僵テ、武公木刀ヲ堤テ暫ク立、亦振上テ打タントス。小次郎臥ナガラ打払フ。武公ガ褰〔かかげ〕タル袷衣ノ裾ノ膝ノ上ニ垂タル所ヲ、參寸許剪リ落ス。同(く)武公ガ木刀、小次良ガ脇下ノ横骨ヲ打折テ、即チ氣絶ス》
*【二天記】 《小次郎u憤テ、武藏ガ相近ヅクト齊ク、刀ヲ眞甲ニ振上、武藏ガ眉間ヲ打ツ。武藏同ク撃處ノ木刀、小次郎ガ頭ニ中リ立所ニ仆ル。初メ小次郎ガ打シ太刀ノ切先、武藏ガ鉢巻ノ結目ニアタリテヤ、手拭分リ落ツ。武藏木刀提ゲテ少ク立チ、又振上テ撃タントス。小次郎伏ナガラ横ニ払フ。武藏ガ袷ノ膝ノ上ニ垂レタルヲ、三寸許リ切サキヌ。武藏ガ撃處ノ木刀、小次郎ガ脇腹横骨ヲ撃折テ、即チ氣絶ス。口鼻ヨリ血流レ出ヅ》

映画「宮本武蔵 巌流島の決斗」 内田吐夢監督 1965年・東映 武蔵:中村錦之助/小次郎:高倉健 肥後系伝説による顕彰会本に依拠した 吉川英治「宮本武蔵」の映画化
*【本朝武藝小傳】 《此時吉岡はいまだ前髪有て二十にたらず。武藏より先達て、弟子一人召つれ仕合の場に來たり。大木刀を杖につきて武藏を待。武藏は竹輿にて來たり、少しまへかど(前角)にて竹輿よりおり、袋に入たる二刀を出して袋にて拭ひ、左右に携へて出る。吉岡大木刀を以て武藏を打。武藏是を受るといへ共、鉢巻きれて落たり。武藏しづんで拂、木刀にて吉岡がきたる皮ばかまをきる。吉岡は武藏が鉢巻を切て落し、武藏は吉岡が袴を切る。何れも勝劣あるまじき達人と、見物の耳目を驚かすと也》
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