石海神社(兵庫県太子町宮本)には天保15年(1844)の算額がある。 これは、蓮常寺村の吉村幾之尉門人である同村・丸尾周之輔の名があるものである。蓮常寺村は、この神社より東約1.5キロの集落であり、現在も地名は残り、太子町蓮常寺である。 我々がこの算額によって知るのは、この村に吉村という数学教師が居て、彼には門人があったというから和算の文化が存在したということであり、そして弟子の丸尾がこのレベルの数学問題をこなしていたというわけである。 この算額の幾何学問題はなかなか優れたものである。シンプルでスマートな方程式を得るからである。 この算額について、以下により解を示す報告を得たのでそれを紹介してみたい。 [資料] 近畿数学史学会会誌「和算」第95号(2002年) 藤井康生「兵庫県太子町石海神社天保15年算額問題」 この資料に関し、その所在のみならず、コピーまでご提供いただいた、小寺裕氏に謝意を表したい。
今有如圖平円経内圭形及甲乙丙円載六個容只言乙丙円差三寸外円問幾何 答曰 外円二拾四寸 術曰 置只言数八之得外円経 蓮常寺村 吉村幾之尉門人 同村 丸尾周之輔□ (花押) 天保十五年甲辰六月吉日
【現代語訳】 今、図のように、円内に圭形(二等辺三角形)と甲、乙(4個)、丙の6個の円を容れたものがある。 乙円と丙円の直径の差を只言(3)とするとき、外接円の直径を求めよ。 答 外接円の直径は24。 術 外接円の直径は、只言の8倍である。
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